2025年度大会若手優秀発表賞
2025年度 大会若手優秀発表賞について
大会若手優秀発表賞選考委員長 矢澤 利弘
2025年度文化経済学会<日本>研究大会が7月5日〜6日に京都橘大
学で開催され、今年度の大会若手優秀発表賞の審査が行われた。今年度の賞には3本のエントリーがあり、片岡栄美(駒澤大学)、勝浦正樹(名城大学)、田代洋久(北九州市立大学)、矢澤利弘(愛知大学)が選考委員を務めた。
選考基準はⅠ.学術論文としての形式、Ⅱ.研究目的・分析・結果[⑴研究目的、視点、調査手法の新規性、⑵研究目的の明確さ、⑶先行研究との連続性と独自性、⑷分析、⑸分析結果]、Ⅲ.発表の仕方であった。大会後に各選考委員の評価点数と合計点を入れた評価表を確認しながら、委員全員の合議で最終審査を行なった。
審査の結果、2025年度の大会若手優秀発表賞は、保田優太氏(経済産業省)の「日本の伝統染色の戦後史と持続可能性に関する考察」が受賞することになり、同年秋の講演会(國學院大学)で授賞式が行われた。日本の伝統染色の戦後史と持続可能性という未開拓なテーマに対して、丁寧な調査を行い、詳細なオリジナル資料を収集した貴重な研究であり、産業研究としての意義も大きい点が高く評価された。
今年度から大会優秀発表賞から大会若手優秀発表賞に名称変更された本賞は、学会を将来的に担う若手会員の研究を活性化させることを目的としている。多くの若手会員に積極的に応募していただくことを希望する。
大会優秀発表賞受賞の御礼
経済産業省 保田 優太
此度は大変栄誉ある賞を頂戴し、嬉しく思います。審査員の皆様、大会にて拙稿の発表をお聴き頂いた皆様、研究活動を支えていただいた皆様に心より感謝申し上げます。
さて、染色をはじめ、我が国の伝統工芸については、サプライチェーンの存続が危ぶまれております。実を申しますと、私の家業もこうした伝統工芸と密接に関わる仕事をしております。そうした背景があるため、私自身も伝統工芸におけるサプライチェーンの持続可能性に深い危機感を抱き、「日本の伝統染色の戦後史と持続可能性」についての研究活動を開始することとなりました。
今回の私の研究においては、伝統工芸におけるサプライチェーンのレジリエンスについて論じさせて頂きました。具体的には、「絹染め」に比して「木綿染め」の方がサプライチェーンのレジリエンスが高かったと結論付けるとともに、その背景について、戦後史を踏まえ、原因を考察させて頂いております。ただ、私が強調させて頂きたいのは、こうした考察は、終着点ではないという点です。私が今回の研究を通じ得た知見について、考察・発表して満足することなく、実務の現場に知見を還元していくことを目指しております。今後、ビジネスあるいは政策という観点から、実際にお役に立てることができれば私にとって何よりの喜びですし、その過程で引き続き諸先輩方にお世話になることと思います。
引き続き御指導、御鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いします。

